カバンの製造で非常に大事になるのが生地の裁断です。
生地の裁断ができないとバッグは絶対につくることができません。
カワニシカバンでは、生地の裁断は協力工場さん(以前働いていた縫製工場)にお願いしています。
ですが、協力工場さんが忙しいときには僕が自分で裁断をしています。
今日はそんな話です。
型入れをして、裁断の計画を立てます
まずは裁断をするための設計図というか、計画を立てるために裁断するパーツの型紙を全部↑の紙に書き、どのように裁断して、どんな印を入れるかの設計図を書きます。
この時に何かを間違ってしまうと、後の作業の全てに問題が生じます。
スピードも大切ですが、きちんと設計図を書き込むことの方が結局は大切だと思います。
何事も最初の設計が大切なのかもしれませんね。
延反機を使って生地を重ねます
生地を一枚一枚裁断すると膨大な時間がかかってしまいますので、画像のように生地を重ねて一気に裁断します。
生地によって重ねる枚数は違いますが、今回で大体30枚くらいです。
30枚重ねるということは30個分のバッグを一気に裁断できます。逆に言えば一度の裁断で裁断できる枚数は30個分だけということです。
まあまあ大変なんです。(汗)
裁断機を使って一気に裁断をします。
この大きい糸ノコの向きを変えたようなマシーンを使って一気に裁断します。
これがなかなかテクニックが必要で、しかも気を抜くと指を飛ばしてしまうので、かなり慎重に裁断しています。
しかも、先程も言いましたが、30枚くらい重ねていますので、もしも、手が変に動いてしまい失敗すると、30個分全て失敗となってしまいます。
まあまあおそろしいのです。
そんなこんなで生地の裁断完了
裁断が完了するとこんな風に生地がきれいに積み重なった状態になります。
こんな風な状態だといろいろ考えやすくていいです。
スッキリしてるって大事ですね。
まとめ:裁断の師匠と技術の伝承
僕は、この仕事を始めて10年以上になりますが、初めは右も左もわからない状態でスタートしました。誘ってくれた社長はずっと東京にいて香川の工場には僕と工員さんと工場長と事務員さんしか居ない状態でした。
そんな中で工場長がいろんなことを(ぶっきらぼう(笑)に)教えてくれました。
そのおかげで、裁断の作業ができるようになりました。
ですので、裁断に関しては工場長が僕の師匠です。
僕はその後、現場から少しづつ離れ、独立しました。
工場長はずっと裁断場を守ってくれていました。
そんな工場長ももうすぐ70歳で、裁断はしんどいそうなので次の担い手が必要になります。
すでに、候補の方はいますが、その人もかなり忙しく、裁断ばかりもしていられないので、今回は僕がお邪魔して裁断したしだいなんです。
久しぶりにやってて、改めて大変な仕事だし、大切な仕事だと実感しています。
それとなにより、僕は工場長の技術を受け継いだ一人なんだなと強く思いました。
工場長にも師匠がいて、その師匠は、その工場の創業者です。
羽陽曲折あり、僕はその工場を受け継ぐことはできませんでしたが、これからも何らかの形でその工場のお手伝いをし、関わっていこうと考えています。
そして、この技術をまた次の世代に伝えていければと思っています。